調布市議会議員 内藤 美貴子事務所、内藤みき子、公明党
調布市議会議員 内藤 美貴子事務所、内藤みき子、公明党

議会報告

議会報告

令和4年第3回(9月)定例会
[2022-09-12]

1. 高齢者を取り巻く課題への対応について
(1) 単身入居者死亡後の残置物への対応について
(背景)
内閣府の高齢社会白書によると、2019年の65歳以上の単独世帯数は736万9千世帯で、この20年で約2.4倍、40年前より約8倍に増加。
高齢化の進展とともに単身入居者も増加し、今後も増えると予想されるのが「単身入居者が家財道具等を残したまま死亡する」というケースです。
遺品の所有権は配偶者や子などの相続人に移るとの規定が民法にあるため、さらに、残された家財等は相続財産として、その処分には全ての相続人同意が必要とされています。このため、相続人の特定が進まず、家財道具等が長期間放置されているという問題が全国各地で起きています。残置物の対応については、公営、民間を問わず共通の課題として解決策を見出す必要があります。

ア. 市営住宅・高齢者住宅(シルバーピア)への対応について
(背景)
こうした問題について国土交通省は2017年1月25日に「公営住宅における単身入居者死亡後の残置物への対応方針の策定」についてと題する通知が出されました。きかっけは、前年の2016年、東大阪市におきまして府営住宅に住んでいた単身入居者が亡くなった後、長い間、家財道具が部屋とベランダに放置されたままで、虫が多く発生するなど衛生上の問題や放火の心配等があり、住民から公明党の大阪府議会議員に相談。府議の粘り強い訴えで府が動き出し、大阪府と和歌山県が共同で国に法整備を求める要望書を提出。さらに公明党の参議院議員が国会で取り上げるなど、連係プレーによって国を動かしました。
この府営住宅の入居者死亡から約3年。トラック6台分の家財道具が撤去されたそうです。
国土交通省の通知には、特に相続人が特定できなかった場合に、公営住宅に残置された家財などについて、財産権を留意し、公営住宅法や民法の規定に則った上で、自治体による残置物の速やかな移動、保管、処分を促すため、取り扱いが明文化されています。
相続人がなかなか特定できない等で放置されたままになれば、入りたい人がいるのに新たな入居者が入れない。その上、長期にわたって家賃も未納になってしまいます。

(問)本市において、放置されたままになっているところは現時点ではないと伺いましたが、今後、相続人がいない、亡くなっている等の場合に残置物の移動、保管(保管の期間や保管場所は)、処分への対応はどのように対応するのでしょうか。
(問)他の自治体では、国の通知を受けて、「単身入居者死亡による残置物の取り扱いに関する要綱」が策定されているところがあります。本市でも、早急に策定すべきではないでしょうか。
(問)死亡後に初めて対応するのではなく、入居時に取り決めを行うなど、事前の対策が必要ではないでしょうか。

イ. 民間賃貸住宅の対応について
(背景)
中野区では民間企業と協定を結び、「中野区安心住まいパック」という単身高齢者の居住支援が行われています。二つのパックがあり、亡くなった後の遺品整理費用の補償と居室の原状回復費用の補償、これに1つは電話による安否確認。もう1つはハローライトという室内ライトの点灯の有無によって安否確認を行うものです。
(問)民間企業と組んで見守りや死亡時の対応をすることで、孤独死への懸念など、家主の不安が軽減され高齢者に貸しやすくなるのではないでしょうか。
こうした取り組み等を参考にして、住宅確保要配慮者の居住支援の一環として、居住支援協議会等で「単身入居者が亡くなった後の残置物の対応」について情報共有や対策を講じていくための協議が必要ではないでしょうか。
(2) 市営住宅の除草作業について
(背景)
市営住宅の除草作業(いわゆる草むしり)は、入居者が協力をして行う場合と除草作業を委託しているところがあります。
調布市の7つの市営住宅では、高木を含む樹木の選定については、業者に委託をしていますが、草むしりについては、1カ所が外部委託で、残りは全て入居者が行っているそうです。草むしりの実施は毎月のところもあれば、年2回、年1回のところもあるようです。作業に参加ができない場合には、7つの市営住宅のうち4つが費用を徴収し、残りの3つについては徴収していません。
徴収金額は市営住宅の自治会で決められており、大半が1回500円ですが、中には3000円のところもあります。ここは、年2回の作業なので、半年分を徴収しているようです。このように、市営住宅の自治会によって、かなり異なることがわかりました。しかし、高齢化が進み、除草作業に参加する住民が減少し、自治会活動の担い手不足も大きな課題となっています。また、除草作業に参加できないことで、不公平感が高まって不満をぶつけられたり、そこに住みづらくなったという声もあります。
こうした問題は全国共通の課題であり、すでに自治体として市営住宅の除草作業を委託しているところ、あるいは自治会単位で専門業者に委託できる制度を設けている自治体もあります。
都営住宅でも、すでに2017年に自治会活動の一部である除草作業について共益費を値上げして業者に委託する事業が導入されています。

(問)今後、高齢化の進展を見据え、市営住宅におきましても除草作業の委託事業を進めていくべきではないでしょうか。

2.防犯カメラを活用した地域の安全対策について
(1) 市が設置する街頭防犯カメラの設置・管理・運用について
(背景)
安全・安心なまちづくりを進めるために、人による防犯活動には時間や範囲等に限界がありますが、24時間稼働することができる防犯カメラは、犯罪抑止や犯罪が起こった場合の状況証拠ともなり、防犯カメラの有用性からも積極的に設置していく必要があります。
そこで、私は令和2年12月議会において、調布市における防犯カメラの設置に関する考え方を明確にすべき。さらに、防犯カメラの維持管理を一括管理することでコスト削減が期待できるのではないかと求めてまいりました。
それに対し、効果的な防犯カメラの設置・管理に関する基本的な考えを示してまいりたい。維持管理の一括管理については、1台あたり年間約1000円の削減が可能となる試算で、見直し等については協議検討していくとの見解が述べられました。
(問)前回の質問に対し、その後、どのような協議・検討がされたのでしょうか。

(2)計画的な設置場所の選定 について
(背景)
防犯カメラの設置及び管理・運用については、自治体が条例や要綱等を制定して設置や利用等の基準を示すこととされています。調布市基本計画には、「市が設置する防犯カメラについては、要綱に基づき犯罪の抑止効果が期待できる場所に段階的に設置する必要がある」と記述されています。
しかし、調布市の防犯カメラの要綱には設置に関する定めが入っておりません。
具体的には、まず調布市では防犯カメラに関しては要綱が定められていますが、そのタイトルは、「調布市が設置する街頭防犯カメラの管理及び運用に関する要綱」とされています。しかし、前回も指摘をいたしましたが、全国の自治体を調べた限りでは、「防犯カメラの設置及び管理運用に関する要綱」とされており、調布市の要綱の名称には「設置」という文字がありません。
また、設置する場所の定義には、「公共の場所」として、駅周辺その他の道路、公園等の不特定多数の物が往来し、または出入りする公共空間(市役所本庁舎、児童館、保育園、図書館その他市が管理する施設及びその敷地を除く)という。と記述されていますが、これには設置に関する基準や定義等が具体的に示されておりません。
例えば、三鷹市では、街頭防犯カメラの設置に関する実施要綱として、設置に特化した要綱が策定されています。
その中で、「設置の要件」として(1)では、近時の犯罪発生状況及び不審事案の発生状況から犯罪抑止対策が講じられるべきと認められる地区とあります。
調布市の要綱には、こういった犯罪防止の視点が定義にはありません。
本市では、駅や駅周辺の商店街等には積極的に防犯カメラが設置されていますが、私が住む北部地域には造園や畑等が多いため暗い通りが多く、空き巣被害や不審者情報も度々報告が上がっています。また、数年前にはバスから降りて帰宅途中の女性が刃物で殺傷されるといった痛ましい事件も発生しました。
公園についても設置基準が明らかにされておりません。
前回も申し上げましたが、私の地元の公園では水道の蛇口が壊されて公園一面が水浸しにもなったことや、あずまやに火をつけられたという被害も発生しています。この他、西町公園もトイレが燃やされさり、度々壊されるなどの被害が相次ぎましたが、何度防犯カメラの設置を要望しましても叶うことはありませんでした。一方で、鬼太郎公園が近隣住民から苦情が寄せられたことで一つの公園に4か所も設置され、タコが設置されている鉄道敷地の公園には何と5カ所も設置されていると伺いました。何をもってそれだけのカメラが設置されているのか、どのように説明されるのでしょうか。

また、三鷹市の実施要項の2には、「街頭防犯カメラの設置地区の選定に際しては、関係機関の意見を聴く機会を設けるよう努めるものとする」とあります。
調布市におきましては、通学路については、PTA,あるいは地区協議会等の意見が反映されるよう、教育部局のほうで丁寧に取り組まれていると認識しております。
しかし、犯罪発生状況を踏まえ、防犯上効果的な設置場所はどこなのかという点については、警察との協議が必要不可欠です。また、市では、警察署や消防署、学校関係者等の委員で構成されている「生活安全対策協議会」が設置されていますが、まさにこの協議会で協議を行っていくべきと考えますが、いずれも現状がどうなっているのか明らかではありません。

(問)以上の点からも、調布市の防犯カメラに関する要綱について見直し、あるいは三鷹市のように設置に特化した実施要綱を策定するべきではないでしょうか。
(問)その上で、安心・安全なまちづくりを進めていくために、設置についての基準や防犯上効果的な設置場所の選定等、関係機関や関係する所管等と協議し、市としてどういった計画で設置を進めていくのか。市の考えを明確にすべきではないでしょうか。









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