調布市議会議員 内藤 美貴子事務所、内藤みき子、公明党
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議会報告

議会報告

令和2年第1回(3月)定例会
[2020-03-09]

今議会は2月28日に開会し、3月9日に一般質問いたしました。
今回は、「妊娠から育児の一貫支援」について、「子宮頸がんワクチン接種への対応」についての大きく2点質問いたしました。

1.妊娠から育児の一貫支援について
日本では、核家族が増え、育児を祖父母に頼ることができず、相談ができる身近な人も少なくなっています。高齢出産の場合は、両親の年齢も高いため、体力的に孫の世話ができないということもあります。こうした環境が子育てに悩んでいる母親を孤立させて、育児ノイローゼなどの問題を深刻にしてしまっています。
産後うつまで行かないうちに、その一歩手前や二歩手前のつらい状況の中で、できるだけ早い段階からサポートやリフレッシュできるような関わりを持ってもらうなど、頼りになり、役立つ仕組みが必要とされています。そこで、妊娠期から育児期までのさらなる一貫支援の充実に向けて伺いました。

☆育児に困難を抱える母親の現状について
(背景)
妊娠中や出産後の母親になったばかりの女性の半数以上が「マタニティブルー」を経験します。出産直後はホルモンバランスが急激に変化するため、ちょっとしたことで泣きだしたり、不安で眠れなくなったりといった症状が1~2週間続きますが、時間とともに自然と治っていくもので治療の必要はないとされています。
一方、マタニティブルーとは違って、放っておいてはいけないのが「産後うつ」です。近年の国の調査では、日本ではおよそ3割の人が産後うつの症状になっていることが明らかになっています。国立成育医療研究センターの調査では、2015年1月1日〜2016年12月31日までの2年間で、妊娠中および産後1年未満に死亡した女性は357例で出産後1年未満の自殺が92例にのぼることがわかりました。自殺の期間については、産後1年を通して起きています。この92例についてさらに分析していくと、約半数が35歳以上で、65%が初産だったそうです。

(問) 本市では、全妊婦さんとの面接を行う「ゆりかご調布事業」と乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん訪問事業)が行われている。本市の要支援者(心身に不調がある妊婦、妊娠期から継続支援が必要な妊婦、産後うつ等精神症状がある、心身不調により家事育児が困難等)は、例年何人ぐらいいるのか。
(問)特に支援は必要とされた「養育支援訪問事業」の対象となった人は何人か。そのうち、子どもの年齢は何歳ぐらいが多いのか。現状は。

☆全妊婦への継続支援の強化について
(背景)
平成29 年4 月に母子保健法が改正され、女性の妊娠・出産から子育て期間中まで一貫して支援する拠点として「子育て世代包括支援センター」の設置が法定化され、日本版ネウボラとして令和2年度までの全国展開が目指されているところです。

(問) 調布市では、健康推進課(保健センター)と子ども家庭支援センターすこやかとが連携して「子育て世代包括支援センター」機能を運営していくという形で取り組まれているが、このことが市民には周知されていない。
法定化された「子育て世代包括支援センター」としての目的、本市におけるその位置付けや役割、そして子育てに不安を感じているママ達に向けたメッセージ等も併せて、しっかり前面に出していくべきではないか。

(問)特に、支援を要する家庭については、しっかり連携しながら必要な支援に繋いでいくことや継続した支援の提供が重要。要支援者に対して、健康推進課とすこやかでは、どういった連携が図られているのか。

(問)国立成育医療研究センターの研究データでは、出産後1年以内の母子に対するサポートが重要であることが明らかになっている。こんにちは赤ちゃん訪問の後に産後うつなどの状態になった母親に対しては、どのように把握をし、どのようにサポートしていくのか。

(問)三島版ネウボラのように、必要な時に的確な支援が活用できるよう、面接時の対応を参考にすべきではないか。また、継続した支援の提供が図られるよう支援台帳や支援プランなどの作成に取り組んでいただきたい。現状と考えは。

☆産後ケア事業のさらなる充実について
(背景)
出産直後の女性の心身のケアを行う産後ケア事業は公明党の強力な推進により、2018年度では全市区町村の38%に当たる667自治体で実施されている。本市でも2016年9月より、助産院と民間施設の2か所においてデイサービス型として開始され、さらに市内の病院でも昨年の10月から開始され、現在、新たな病院での開設や宿泊型の実施に向けて準備を進められていることは評価。
この度、母子保健法が改正され、産後ケア法が昨年11月の臨時国会で成立し、来年の12月5日までに施行されることになっている。改正法では、出産後一年以内の母子が対象で、利用したい時に利用できるよう「心身が不調の時」などの要件は設けていない。この事業を母子保健の核と位置付け、子育て支援包括支援センター等の関係機関と連携し、一体的な支援に努めなければならないとも明記された。

(問)産後ケア事業は、まだまだ認知度が低いという現状がある。産後ケア事業は、助産師さんが直接乳房マッサージや授乳指導を行うなど、女性の体をケアすることができる産前産後の訪問事業ではできない唯一の支援事業である。 本市でも、先進事例を参考に、デザインの工夫や特に母乳ケア、授乳指導が受けられることも周知する案内チラシの作成を。また、乳幼児健診、病院等にも配下先の拡充を。

(問)産後ケアを利用したくても、出産直後の育児疲れ等から体調が悪くて外出ができない、また、きょうだいがいる場合には施設に連れてはいけないので、自宅で産後ケアを受けたいとの声が寄せられている。市内の産後ケアを実施されている施設でも、利用者のニーズにこたえ、訪問して産後ケアを行っているそうだが、全額利用者負担になっている。本市でも産後ケア事業のアウトリーチ型を実施すべき。見解は。

☆母親のケアを主とした訪問支援について
(背景)
調布市の訪問支援に関しては、育児に追われている母親が求めていることに対しては、十分に応えられるような支援メニューが明らかに不足をしている。
ベイビーすこやかの事業は主に掃除や沐浴等の子どもへの支援が中心で、母親への心身のケアが目的とはされていない。また、法定化された養育支援訪問事業は産後うつ状態や養育ができない状態等の要支援者が対象で、産後うつになる前の段階で、不安を感じた時や助けてもらいたいときに、しっかりと支援の提供ができるよう新たな訪問事業の導入が必要ではないか。

(問)寄り添い相談に乗り、孤立感や育児の不安を軽減すること(家事支援は除く。)等の傾聴を主とした産前・産後サポート事業の導入は。

(問)妊娠中から出産・産後まで母親に寄り添い、育児や日常生活まで、丸ごとサポートする産前産後ケアの専門家、産後ドゥーラの活用も検討すべきではないか。

(問)とうきょうママパパ応援事業」の中で、多胎妊産婦への支援を強化するために、産後の家事・育児支援・外出時の補助等を行うサポーターを派遣する事業がスタートするが、早期に実施すべきではないか。

(問)品川区では、妊娠・出産から育児まで切れ目のない支援を行うために「しながわネウボラネットワーク」の一環として、産後の家事・育児支援ヘルパー等の利用助成が行なわれている。利用助成を受ける方は、「産後ドゥーラ」として認定を受けた方、または助産師、看護師、保健師のいずれかの資格を有している方などを利用することができる。
また、産後間もない母親の負担を軽減するために窓口での手続き等は不要で、ダウンロードすれば、自宅からスマートフォンで手軽に安心して申し込めるようになっている。
品川区のように、利用者の心身の状況や家庭状況によって、産後ケア事業のアウトリーチも含め数々の訪問支援事業のメニューが選べるような仕組みの構築を図っていただきたい。考えは。

2.子宮頸がんワクチン接種への対応について
子宮頸がんは、20代から30代の若い女性がかかる「がん」の中では乳がんに次いで多く、年間約1万人近くの女性が子宮頸がんにかかり、約3000人もの女性が亡くなっています。HPVワクチンは性交渉を始める前段階の接種で、より効果が期待できるとされ、日本では、2013年4月より小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に計3回を行える定期接種化になりました。しかし、ワクチン接種者から接種後に体の痛みなどの症状が生じたとする報告があったことから、同年の2013年6月より自治体による積極的勧奨が差し控えられました。結果として平成22年度には約70%であった接種率が1%未満にまで激減しており、子宮頸がんに罹患するリスクが定期接種以前に戻ってしまったと報告されています。

☆現在の対応について
(背景)
厚生労働省から2013年6月14日付けで「接種の積極的な干渉とならないよう留意すること」と勧告が出されたことで、全国で多くの自治体が個別通知を取りやめているのが現状であります。一方で、勧奨中止後も子宮頸がんに対する認識が薄くなることへの危機感から、ワクチンの有効性やリスクなども伝えた上で、接種案内を続けている自治体もあります。厚労省が2018年に行った調査では、全国で97自治体が接種対象者にリーフレットまたは独自作成の案内等の個別通知を実施しています。

(問)本市では、子宮頸がんワクチンの接種対象に対して、現在どのような対応をされているのか。

☆個別通知の実施について
(背景)
2013年6月14日の国の通達の中には、「積極的な勧奨とならないよう留意すること」と記載されていますが、「個別通知を中止する」とは記載されていません。また、健康被害との因果関係が認められていないため、定期接種という位置づけも変わっていません。HPVワクチンは現在においても、予防接種法における定期接種A類として位置付けられています。予防接種法施工令第6条には、「市町村長は、法第5条第一項の規定による予防接種を行う場合には、前条の規定による公告を行うほか、当該予防接種の対象者またはその保護者に対して、あらかじめ、予防接種の種類、予防接種を受ける期日又は機関及び場所、予防接種を受けるに当たっては注意すべき事項その他必要な事項を周知しなければならない。」とされています。つまり、「対象者への周知等を行うとともに、接種機会の確保を図る」と、制度の周知が義務付けられています。
また、予防接種法令6条の周知について、定期接種実施要領には以下の通り規定されています。「対象者等に対する周知については、その周知方法については、やむを得ない事情がある場合を除き、個別通知とし、確実な周知に努めること」とされています。しかしながら、6年以上に及ぶ積極的な勧奨差し控えにより、定期接種対象者に対して正確な情報が周知されておらず、考える機会もなく、多くの人が対象年齢を過ぎていることが明らかになっています。
厚生労働省が一昨年の2018年10月に12歳から69歳までの男女2400人を対象に「HPVワクチンの情報に関する調査」が行われ、その調査結果が公表されています。(スクリーン)ご覧のように、回答者全体の86.3%が「リーフレットを見たことはない」と答えています。(次のスクリーン)「ワクチンの意義・効果」については、対象となる12歳から16歳の女子の38.8%が「知らない・聞いたこともない」と答えています。(次のスクリーン)やはり対象となる12歳から16歳の女子の45%が「わからないことが多いため、接種を決めかねている」と答えています。この調査結果により、改めてワクチンの認知度が低い状況であることが明らかになりました。
このことから、今年1月30日に開催された厚生労働省の副反応検討部会では、HPVワクチンは公費によって接種できるワクチンであること、接種について検討・判断するための有効性・安全性の関する情報等、接種対象者やその保護者に届ける必要があることが確認され、厚労省としてHPVワクチンのリーフレットを改定する予定であることが報告されました。特に注目すべきは、各自治体において、接種対象者及びその保護者に対する情報提供を、予防接種法施行令第6条の「周知」の一環として実施する方針が了承されたことです。このまま適切な周知が行われなければ、どんなワクチンかという情報を知る機会がないために、接種の是非の判断ができないまま対象年齢をすぎてしまっている方が多くいます。

(問)定期接種の対象年齢である小学6年生から高校1年生相当の女子のいる家庭に接種を検討する機会が与えられますよう、制度の周知を行っていくべきではないか。

(問)令和2年度には権利がなくなる対象者である高校1年生に該当する女子のいる家庭に対しても、自らの意志で接種する選択ができるよう助成期間終了のお知らせを実施することを強く求める。見解は。




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